エピソード記憶とは?学習での活用術から記憶障害との関連までくわしく解説

キツネさん

記憶術の話題で耳にする「エピソード記憶」のこと、わかりそうでわからないんだよね……改めてきちんと知りたいな!

突然ですが、あなたの記憶の中で一番古いエピソードを思い浮かべてみてください。

実際に思い出してみると「意外と昔のことを覚えているな」と感じられた方も多いかもしれません。

このように、エピソード記憶は私たちの記憶に残りやすいという特徴を持っています。

これをうまく利用すると「記憶の天才」のようにスムーズに物事を暗記したり、逆に「エピソードが思い出せない」症状から心身の不調や特性を分析したりできるのです。

今回の記事ではそんな「エピソード記憶」の特徴や活用術、記憶障害との関連について詳しく解説していきます。

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監修者情報

株式会社Art Of Memory

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なお、記憶力の上げ方については記憶力を上げる方法とは?|誰でもできる記憶向上テクニックを紹介の記事で解説しているので、あわせてご覧ください。

エピソード記憶とは

そもそも、エピソード記憶とは一体どんな記憶のことを指すのでしょうか。

エピソード記憶とは

個人が体験した出来事の記憶。時間や場所、感情を伴ったものとして記憶される。

参考:デジタル大辞泉「エピソード記憶」

私たちは生きている中で、日々様々な出来事を体験します。

そうして体験した出来事に関する記憶を全てエピソード記憶と定義しているのです。

エピソード記憶の例
  • 過去に旅行に行った思い出
  • 学校の入学式や卒業式の記憶
  • 昨日の夜に食べたメニュー

そんなエピソード記憶の特徴について、さらに詳しく見ていきましょう。

【前提】記憶は短期記憶と長期記憶に分けられる

まず、私たちの記憶は脳によって「短期記憶」と「長期記憶」に分けられています。

脳の中の「海馬」という部分が、日々入ってくる情報に対して「長期的に必要か不要か」の仕分けを行っています。

日常生活の中では、長期的に覚えておく必要がない記憶もたくさんありますよね。

  • 電話をかける前に一瞬覚えた電話番号
  • これから乗る予定の電車の発車時刻
  • その日スーパーで買う予定のもの

こうした「すぐに要らなくなる」記憶は、短期記憶と判断されてどんどん脳から消えていく仕組みになっています。

あわせて読みたい:生活に欠かせない短期記憶のメカニズムと鍛え方を徹底解説!

エピソード記憶は「長期記憶」に分類される

先ほど短期記憶に挙げたようなことは、用が済んでしばらくすれば簡単に忘れてしまうでしょう。

しかし「体験したこと」に関しては、ずっと前のことでもよく覚えていますよね。

それは海馬が、そうしたエピソードを長期記憶(重要)と判断しているからです。

さらにエピソード記憶は、自分が実際に経験した「自伝的出来事」と、社会に起こった出来事を見聞きした場合の「社会的出来事」にも分類されます。

「自伝的出来事」の例

  • 昨日の夕食のメニュー
  • 数年前に行った旅行の記憶

「社会的出来事」の例

  • 数年前に起こった災害
  • 昨日ニュースでみた事件

参考:脳の世界 記憶の分類

脳がエピソード記憶を忘れにくい理由

キツネさん

そもそもなぜ、エピソード記憶は長期記憶として私たちの脳に残りやすいのでしょう?

実は日々膨大に脳に入ってくる情報の中で「長期記憶になりやすいもの」にはいくつか条件があります。

私たちが日々出会う「体験」はその条件を満たしていることから、エピソード記憶として長期的に脳に残りやすいのです。

ここでは長期的に脳に残りやすい記憶の条件と合わせて、脳がエピソード記憶を忘れにくい理由について紹介していきます。

感情を伴う記憶だから

何かエピソードを思い返すとき「楽しかった」「悔しかった」といった感情まで一緒に思い出せる場合がほとんどではないでしょうか。

実は、感情を伴う記憶は長期記憶として脳に残りやすい傾向にあります。

これは、記憶を分類する海馬の隣にある「扁桃体」という部位の影響です。

扁桃体とは

人の感情・情動の形成に大きな役割を果たす脳の部位

感情が揺さぶられることで扁桃体が活性化し、それが伝わって海馬まで活性化されることが要因と考えられています。

基本的にエピソード記憶は感情を伴う記憶であるため、脳にも長期的に残りやすくなるのです。

映像が頭に残っているから

エピソード記憶を思い返すとき、頭の中に映像が浮かぶ方がほとんどでしょう。

脳はそうした映像を伴った情報も長期記憶として残す傾向にあります。

自身が何かを体験するとは、目で見て耳で聞いて何かを行うということですよね。

つまり、体験を通して得た情報は映像として脳に入ってくるため、長期記憶として記憶されやすくなります。

こうした要素が組み合わさって、エピソード記憶は長期的に脳に残る傾向にあるのです。

あわせて読みたい:効率よく覚えるのにイメージ記憶が大切な理由

記憶に強い人はエピソード記憶を利用している

何かを覚えるとき、漠然と情報を頭に入れようとしても、なかなか長期的に記憶に残すことができないものです。

では「記憶の天才」と呼ばれる人たちは、なぜ一度にたくさんのことを覚えられるのでしょうか。

それは情報を長期記憶として脳に残すために覚えやすい形に加工しているからです。

そして「エピソード記憶は長期記憶になりやすい」傾向も、記憶術によく生かされています。

  • 物の名前や数字の語呂合わせからエピソードを作ってイメージする
  • 覚える物どうしがつながるストーリーやエピソードを頭の中で作り上げる

このように工夫して「脳の特性を利用した覚え方」をすることで、誰もが記憶力を向上させることができるのです。

エピソード記憶を使って記憶力を鍛える方法

この「エピソード記憶は長期記憶になりやすい」傾向を生かし、記憶力を向上させる具体的な方法について解説します。

学習や日常生活にも簡単に取り入れられるので、この機会にぜひマスターしてみてください。

意味記憶をエピソード記憶に変換する

勉強や日常生活で発生するような「言葉や用語の意味」といった情報は、基本的に意味記憶と呼ばれます。

これらは日常的に何度も情報に触れていれば定着するものの、なかなか覚えにくかったり、しばらく経つと忘れてしまったりすることがほとんどです。

より長期的に頭に残していくために、この意味記憶をエピソード記憶に変換するのがおすすめです。

意味記憶をエピソード記憶に変換する例
  • 用語の意味を人に説明し、さらにその用語をテーマに会話や議論を行う
    「◯◯に関する議論を交わした」という一つのエピソードになる
  • 年号を語呂合わせで覚え、その言葉から連想されるストーリーをイメージする
    ⇨それが一つのエピソードとして記憶に残る

こうした工夫を取り入れることで、言葉や用語なども長期的に覚えやすくなります。

場所を意識して記憶する

人間の脳は、場所や空間に関する情報を記憶するのも得意です。

つまり場所をエピソード記憶と紐づけることで、さらに強固な記憶として長期的に脳に残すことができます。

この傾向を利用した記憶術が「場所法」です。

場所法とは

自分に馴染みのある「場所」と覚えたい物を紐づけて頭に入れる記憶術

英単語や言葉の意味を覚える場合などにも、この場所法は非常に便利です。

場所法のやり方は以下の記事で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

あわせて読みたい:最強の記憶術「場所法」とは?勉強に役立つ使い方やポイントを解説!

エピソード記憶が思い出せなくなる原因と対処法

このように長期的に覚えていられるはずのエピソード記憶ですが、逆にこれが「よく思い出せない」場合、それは心身からの何らかのメッセージかもしれません。

エピソード記憶が思い出せなかったり、記憶しづらかったりするのには、以下のような様々な要因が考えられます。

  1. 加齢の影響
  2. 認知症の初期症状
  3. ストレスなどの心理的要因
  4. 外傷による影響
  5. 発達障害の可能性

ここでは、これらの要因とその対処法について紹介していきます。

加齢の影響

歳を重ねるにつれ物忘れがひどくなるのは「良性健忘」と呼ばれるごく自然な老化現象です。

その中で「昨日何を食べたか」「1年前にどこに旅行に行ったか」など、エピソード記憶が思い出せなくなることもあります。

後ほど紹介する認知症と異なるところは「食べたこと自体は覚えている」「旅行に行ったこと自体は思い出せる」という点です。

こうした物忘れの場合は、周りのサポートも得ながら「忘れたくないことはメモをとる」などの工夫を生活の中に取り入れてみましょう。

認知症の初期症状

先ほどの「加齢の影響」と違い、専門的な治療が必要となるのが「認知症」です。

認知症の初期症状でもエピソード記憶の低下が見られますが、認知症の場合は「良性健忘」とは違い「エピソード自体が思い出せない」状態になります。

  • 朝食や夕食を食べたかどうか自体が思い出せない
  • 同じものを何度も買ってしまう
  • 起きた出来事の前後関係がわからなくなる

こうした症状が見られた場合は、単なる物忘れではなく「認知症」のサインです。

早期の治療が大切ですので、周りの人の症状に気がついた場合は早めに専門機関を受診するようにしましょう。

参考:厚生労働省 みんなのメンタルヘルス 認知症

ストレスなどの心理的要因

意外と知られていないのが、ストレスなどの心理的要因が引き起こす「解離性健忘」と呼ばれる記憶障害です。

解離性健忘とは

強いストレスを感じた状態になると、その出来事に関するエピソードが思い出せなくなる現象のこと。うつ病の症状として挙げられることもある。

先述したとおり、記憶をつかさどる脳の海馬は、感情に関わる扁桃体のすぐ隣にあります。

その中で特に扁桃体は不安や恐怖によって活性化しやすいと言われており、隣接する海馬はその過剰反応した扁桃体の影響を直に受けてしまうのです。

本人が強いストレスや精神的な負担を感じている場合は、まずはそのストレスを取り除くことが求められます。

症状がひどい場合は、心療内科や精神科を受診して専門医の力を借りるようにしましょう。

脳損傷による影響

  • 事故などよる頭部の怪我
  • 病気や脳以外の場所の怪我が原因で、脳に菌が入り込む

こうした要因によって起こる「脳損傷」が記憶障害を引き起こす場合があります。

どの部位の損傷かによって記憶障害の症状にも違いがありますが、過去のエピソード記憶が失われる「逆向性健忘」の症状が見られることも少なくありません。

頭は人間にとって特に大切です。頭を打った場合はもちろん、頭以外のちょっとした傷や病気が脳に悪影響を与えることもあります。

何かあったときは「大したことない」と放置することなく、できるだけ医者に診てもらうようにしましょう。

参考:京都大学広報誌 記憶は脳の中でどのように表現される?

発達障害の可能性も

自閉スペクトラム症・アスペルガー症候群(略称:ASD)の特性として、特徴的な記憶力が挙げられます。

エピソード記憶に関して言えば「ついさっきのことや大きな事件など、皆が覚えていることを忘れている」ことがあるのです。

しかし逆に「皆が忘れている些細なことを細部まで覚えている」「過去の失敗がフラッシュバックしやすい」といった特性もあります。

ASDは先天的な発達障害ですが、大人になるまで気が付かないまま成長し、社会に出て二次的な精神障害に繋がってしまうことも少なくありません。

周囲の人や子どもたちなどのそうした特性に気がついたら、専門機関の手を借りながらサポートしていくことが求められます。

身近な人がエピソード記憶に困難を抱えたら

病気や発達障害、思わぬ外傷などによって、身近な人が「エピソード記憶を忘れてしまう」「思い出せなくなる」こともあるかもしれません。

大切な思い出を共有できないのは辛いことですが、本人には何の罪もありませんし「思い出したくても思い出せない辛さ」は本人にしかわからないものでしょう。

このように身近な人がエピソード記憶に困難を抱えたときは、周囲のサポートや理解が欠かせません。

  • 思い出せないことを責めない
  • 生活の中で必要なことを、本人の記憶に頼らずにできる体制を整える
  • メモや付箋、ラベルや張り紙をこまめに利用する
  • 「覚える」努力をする機会を作る

何よりも大切にしたいのは、こうした日々の心がけを通してお互いに安心して毎日を過ごせる状態を保つことです。

積極的に専門機関の支援を頼って、できる限りそうした環境を整えることを目指しましょう。

まとめ

エピソード記憶は、私たちの記憶の中でも特に印象深く残っていくものです。

その特徴をより理解することで、記憶力向上のヒントになったり、心身の不調や特性のサインに気がつくことができたり、私たちの生活にもいい影響を与えてくれます。

今回の記事でエピソード記憶に詳しくなった方は、ぜひ日常生活にも生かしてみてくださいね。

ちなみに、記憶力をあげたいなら宮地式記憶術という記憶術もおすすめです。

記憶術は科学的に裏打ちされたスキルなので、誰でも習得できるメリットがあります。

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